川元学(かわもと・まなぶ)

PROFILE

川元学(かわもと・まなぶ)

川元学(かわもと・まなぶ)

1983年入社

工業高校卒業後、1983年4月に株式会社協栄組に入社。建築工事部工事課に配属。現在は技師長(所長)。

技師長として原価・安全・工程などを管理する

小さい時から建築に興味があり、通っていた工業高校の先生の紹介で当社に入社しました。入社後は建築工事部工事課に所属し、さまざま建物の建築に関わっています。

今は技師長(所長)を務めています。仕事は予算や工程の管理が中心。決められた予算をオーバーしないように資材の原価などをチェックしたり、納期に遅れないように日々工程を確認したりしています。また、職人が安全に作業できるような作業環境をつくったり、お客様に満足いただけるような品質を保つために点検したりするのも、私の仕事です。

当社の場合は、15ヶ月くらいの工期で完成する新築マンションを多く手掛けています。現在、私が携わっているのは、11階建ての新築マンション。更地の状態から建物を建て、その建物を引き渡すまでを担っています。

入社1年後に群馬県に出張して社寺移転に携わり身に着いた我慢強さ

これまでで一番大変だったのは、入社してから1年後に群馬に4年間出張したことです。あるお寺を移築する仕事で、所長と二人で行き、地元の職人と一緒に働きました。

お寺を解体し、まだ利用できる木材を活用しながら、別の場所にお寺を建て直すという仕事でした。まだ仕事も全然覚えていない状態で、準備や資材の手配などをしました。

移転現場は山の中。周りに飲食店はなく、会社からは自炊をするように言われましたが、食材を買えるスーパーさえもありませんでした。土日は休みでしたが、遊びに行ける場所もなかったですね。そこで4年間働きました。今思うと、その仕事を通じて我慢強くなったと思います。
 

子どもたちのために手間暇かけて小学校を建築

最近では、区立小学校を建築する仕事をしました。小学校は小さい子どもたちが使うので、できるだけケガをしないようにつくらなければなりません。木材を切ってそのまま柱として使うと、角がとがっているので子どもがケガをする可能性があります。そのため、角がなくなるように1つひとつ削らなければならず、手間暇がかかります。

しかし、小学校なので完成予定時期は決まっています。納期に間に合わせるために、職人の手配などに気を遣いました。出来上がった後に見に行きましたが、子どもたちが遊んでいる姿を見て、とてもやりがいを感じましたね。

区の建物といえば、区の音楽ホールの建築にも携わりました。行政からこうした仕事を任せてもらえるのは、これまで当社が信頼を積み重ねてきたからです。

依頼を受けた時はお客様からしっかりと要望を聞き、何とか形にしようと努力をしてきました。中には、叶えることが難しい要望もあります。できない時は「できない」と伝えきちんと理由を説明しつつ、話し合いながら折衝を重ねていきます。その結果、信頼して仕事を任せてもらえるようになりました。

 

全体を見る能力や想像力が求められる仕事

建築の仕事には、全体を見る能力や想像力が必要です。作業の進み具合を見ながら、いつから次の作業に入れるかを考え、職人に依頼するタイミングなどを判断していかなければなりません。

新築のマンションの建設に関しては、基本はどのマンションも同じです。しかし、立てる場所や内装などが違うと進め方などが変わってくるので、毎回新しい仕事が始まる時は新しい気持ちで臨むようにしています。

建築の仕事は、職人と話す機会も多いので明るい性格の人に向いていますね。当社の社員は明るく、話しやすい人が多いですよ。どんな相談にも親身になってくれる人ばかりです。

仕事は、すぐには結果が出ません。最初は失敗続きかもしれません。石の上にも三年と言うように、三年ぐらい続ければできるようになります。どんなに偉い人でも、同じような道を歩んでいます。たとえ失敗しても長い目で見たらたいしたことはないので、現場に出て1つずつ覚えていってください。

建築の仕事は、更地の状態から建物を完成させる喜びがあります。自分の仕事の結果が、建物として存在します。自分が関わった建物を訪れると、「ここで苦労したなぁ」など思い出され、達成感を味わえる、いい仕事です。